引きこもり期間が長くて、バイトに受からない……という悩みありますよね。
自分も過去に3年の軽い引きこもり(空白期間)があって、社会復帰するまでにかなりのエネルギーを要しました。
コンビニ店員くらいなら普通に話せたものの、根っこは思いっきり対人恐怖症。
友達とはほとんど絶縁、根掘り葉掘りいろいろ聞かれるのがいやで、つねに初対面の相手に壁を作っていました。
しかし今では複数のアルバイトを掛け持ちしながら生活しております。
そんな経験から今回は
- 引きこもりでバイトに受からない原因
- 空白期間3年の私がバイトを選んだ基準
などを紹介していきます。
引きこもりでバイトに受からない原因
引きこもりでバイトに受からない原因は、一概には言えません。
年齢が上がれば上がるほど、また、空白期間が長期になればなるほど、採用されるのは難しくなってくると思いますし、職種や店の方針によっては、男女差もあるかと思います。
なので今回は
- 面接に失敗している
- 求人の選び方がよくない
のどちらかが原因の場合について書いてきたいと思います。
面接に失敗している
まず『面接に失敗している』場合、つぎのような原因があります。
①印象がよくない
身だしなみがよくなかったり、声が小さすぎたり、テンションが低すぎたり……。
当たり前ですが、面接官に悪い印象を持たせてしまうと、採用される確率が下がります。
私もコミュ障かつ頭の回転が遅い人間なので、気の利いた言葉なんてまったく出てこないですし、子どもの頃から「なんて?」と友達にさえ二度聞きされていたので、小さい声しか出せない人間です。
前髪をピンでとめて、顔が明るく見えやすいようにしたり、無理しない程度に、多少ハキハキを意識しています。
面接のときだけ、別人格くらい元気よくしても、それはそれで後が大変です。ぜったいに持ちません。
②条件を出しすぎている
採用されるには、会社にとって都合の良い人間になること、また、いかに譲歩できるか、がポイントです。
なので「祝日は出られない」とか、「ぜったいに週一」だとか、あまり頑固に条件を出していると、採用の確率は下がってしまいます。
だからできるだけ、会社側の入ってほしい時間・曜日を優先させることが重要です。
ただ、かといって「いつでもオッケー」と条件をのんでしまうと、これも後が大変です。
週4×8時間とか、慣れている人なら普通にこなせるシフトでも、長期引きこもりには、きつくないですか。
短期でやめてしまう可能性も高くなるだけですし。
それならあまり稼げなくても、週3×5時間のほうが良い。
採用されようと思って無理しすぎず、だけど相手の条件をはねのけすぎない、この微妙なラインを掴むのが一番いいと思います。
「クリスマスは2日とも出れません!」ではなく、「クリスマスは一日だけなら出ます」のような。
面接というより、面談のような感じで、面接官とやりとりするのが一番いいと思います。
③空白期間の説明ができていない
次は、空白期間の説明がうまくできないこと。
当たり前ですが「遊んでいました」や「引きこもっていました」となんて言ったら、ほぼ不採用になるでしょう。理由が浮かばなくて、なにも言えないのも印象が悪くなるだけだと思います。
だけど空白期間の説明、これは本当に難しいですよね。
「遊んでいました」とは言わないにしろ、事実であっても「心を病んでいました」と言ったら採用に不利になりそうで言えない。
本音を言えば、私も知りたいくらいですよ。長期引きこもりから社会復帰した人って、みんなここの部分なんて言っているんだろう。
私はたまたまいろいろ理由があって、それらを並べました。嘘はついていないんですが、それでも履歴書の数年を埋めるのは大変でした。
一番無難なのは、短期バイトや派遣を転々としていたとかですかね。ただ、嘘だと違法になります。
就職したら学歴がほとんど意味をなさないのと同じなように、一度社会復帰してしまえば、こんな空白期間べつに誰からもツッコまれません。
「おまえ○年も引きこもってたんだって?」みたいなこと、誰も言いません。
だけど、この最初だけがめちゃくちゃ大変。
それもあって個人的には、大真面目にコネ採用をおすすめしております。
求人の選び方が悪い
求人の選び方が悪い場合もあります。
人気の求人に応募した場合、そもそも競争率が高いので採用される可能性は低いですし、経験を重視されるような職種に、未経験のまま応募するのも採用は難しいでしょう。
けれど、ただ普通に選んでいるだけなのに落ち続けている方もいるかもしれません。
その場合、ハンデを背負っているぶん、もっと条件を下げる必要があります。
空白期間3年でも一発合格した
自分は3年くらい空白期間がありましたが、一念発起して受けた面接で一発採用させていただきました。
当時は対人恐怖症で初対面の人どころか、友達とも会うのが怖かったですし、「明日世界が滅ばないかなあ」と、かなり卑屈になっていました。
けれど、
……という、長期引きこもりの方なら誰でも共感するであろう負のループ状態に入ってしまっていたので、「このままじゃ自分がダメだ」と思い、10年ぶんくらいの勇気を振り絞りました。
当時は、空白期間への焦りもありましたが、どちらかというと思考回路のほうがヤバかったと思います。
最後のほうなんか、思考がどんどんダメな方向に向かっていき、人と話そうが何をしてようが、集中できない状態でした。
そんな精神状態の私がなぜ採用されたのか、本当のところは当時の面接官に確認しなければわかりませんが、自分のなかで思い当たる点を書いていきたいと思います。
受かりやすい求人の選び方
①【週一OK】【短時間からOK】の求人を選ぶ
当たり前すぎて「わかってるよ」とツッコまれそうですが、慢性的な人手不足の求人を選ぶこと。
やはり人手不足の求人は、それだけ人手を緊急に欲しているということですから、引きこもりでも採用されやすいです。
見つけ方は、
- 未経験OK
- つねに募集されている
- 【急募】という記載がある
- 【週一、短時間からOK】など、とにかくやさしい条件が並べてある
……など。
とにかく、短時間から働けるようなゆるめの求人や、【急募】という緊急性の記載のある求人がミソですね。
注意点は、地雷の可能性があること。
募集条件がゆるめの求人って、それだけ人が居着かない、なんらかの問題がある場合があります。
店長が変な人だったり、ちゃんとした理由があっても休みがもらえなかったり。
自分もブラックなところに当たったこともあります。
なので、このようなゆるすぎる求人に応募するには注意が必要です。
最近はそうでもない?
しかし、最近はこの説(条件がやさしい=ブラックの可能性がある)、ちょっと違うんじゃないかなと個人的には思います。
理由は、少子化でどこも人手不足だから。
大手チェーン店で働いている知人たちが口を揃えて言うのが、「学生がバイトにぜんぜん応募してこない」。
なので、ただひたすら【人手不足】なだけで、それ以外はほぼ問題がない会社も多かったりします。
じっさいに、私が引きこもり後に働かせてもらった職場も、上記のようなゆるゆるの求人でしたが、皆さんやさしかったですし、シフトも自由で、急な休みもOKな超ホワイトな職場でした。
知人の働いているチェーン店も、人手不足なだけで、職場に対するグチは聞いたことがありません。
なので今の時代、バイトの求人条件がゆるすぎるからといって、絶対ブラックということはないと思います。もちろん気をつけるに越したことはないですがね。
→ブラックがどうかの判断する方法
②競争率が低い求人を狙う
2つ目は、競争率が低い求人を狙うこと。
人手不足のお店であっても、いっぺんに応募者が何人も来たら、自分が受かる確率は下がってしまいます。
なるべく、競争率が低い求人を選ぶことが重要です。
バイト求人サイトには、【人気!】や【○○人が検討中】などという、表示がされているところがあります。
これらの表示がどこまで正確なのかはわかりませんが、とにかく意識するに越したことはありません。
落ちる可能性の高い、人気のありそうな求人にははなから近寄らないようにし、なるべく応募が少なそうな求人をチェックすることをおすすめします。
③経験のある職種を選ぶ
3日目は、バイト経験もない方にはむずかしいかもしれませんが、経験のある職種を選ぶことです。
やはり経験は強いです。経験があれば、多少の空白期間があっても、採用してもらえる可能性が高くなります。
長期的に見れば、スキルや経験を積むためにも、『できるけど、つまらないこと』よりも『経験はないけど、やってみたいこと』を優先するほうがいいと思います。
しかし引きこもりの場合には、何もかもが不利な状況です。
「やりたいこと」なんて言っているヒマはありませんし、贅沢な悩みなのは間違いない……。
(「やりたいこと」が飲食店の店員のような、人手不足の職業であればいいんですけどね。)
とにかく採用を優先するなら、『できるけど、つまらないこと』を職業を選ぶほうが確実でしょう。
(あるいは『人気がなく、自分にとってもつまらなそうだけど、採用されやすい』職業ですね。)
1年くらい働いてから、やってみたい職種に転職するのが堅実だと思います。
③小さな店や会社を選ぶ
なるべく面接官だけの判断で採用・不採用が決定されるような、小さな会社やお店を選ぶことです。
なぜなら、大きな会社の場合、本部のチェックを受けて採用・不採用を決める場合があるから。
わたしは昔、某100円均一のバイトに応募して、不採用になってしまったことがあります。
落ちた原因は、(たぶん)履歴書。
それまでやっていたバイトは、個人店のような小さな店だったので、履歴書よりも、どのくらいシフトに入れるかや、面接での話し方などのほうが重要視されていました。
ですから、履歴書をきちんと書いていなかったんですよね。志望動機が、一行とか。
ですが、私の受けた100円均一は大きな会社だからか、いったん履歴書を本部に送り、本部の判断を含めて、総合的に採用・不採用を決定するというシステムでした。
結果、不採用。
もちろん、落ちた理由は他にもあると思いますが。
こういった採用システムだと、いくら面接がOKでも、本部の履歴書チェックで不採用になる可能性があるということです。
空白期間が長い人の場合、不利になりやすいですよね。
なのでできるだけ、面接官一人の判断で採用してもらえるような、小さな会社やお店を選ぶことがおすすめです。
「下手な鉄砲、数撃ちゃ当たる」は精神的に持たない
「面接が怖い」という悩みをネットで検索したり、周囲に漏らすと、「なにを悩んでるんだ。ダメだったらダメで、次々受ければいい」という強気な回答が返ってきます。
その通り。ふつうに働いてる今の自分も、同じように言ってしまう気がします。
ただそれは、そもそも普通に社会生活を送れて、精神がそれなりに安定している人たちの言葉。
「下手な鉄砲数撃ちゃ当たる」とはいっても、何回も面接を受けたくはありませんよね。
何度も受けるのはパワーがなくなるというよりも、自信が削られていきますから。
ですから、なるべく受かりやすい求人を選ぶことも大切です。
電話が苦手な人なら…
バイトは基本的に応募後に電話がかかってきて、面接日を決定します。
この電話、引きこもりの方のなかには、(自分もそうですが)苦手な人が多いと思います。
単に苦手といっても、気が重いだけなら、根性でなんとかなるものですが、自分の場合は緊張すると一言も電話口で話せなくなります。
そんな人は、Indeedでのバイト応募がおすすめ。過去に2回ほどIndeedを活用させていただいたことがありますが、2回ともメールでの連絡でした。ありがたや。
受かるための方法
応募後、いざ面接になったときに「こうしておいたほうがいい」と思ったことを書いていきたいと思います。
シフトは融通をきかせる
シフトはなるべく融通をきかせること。
よほど人手不足でないかぎり、繁忙期や土日に出られない人より、出れる人のほうが採用されやすいです。
あとは職場によって、人員の足りていない曜日や時間帯があったりすると、面接時に
「〇〇時からのシフトでも働ける?」
とそれとなく尋ねられたりします。
自分が無理しない程度に承諾するのが、いいかと思います。
とにかく『都合のいい人』になることが第一の近道。
なるべくポジティブ、ハキハキと
なるべくポジティブに笑顔でハキハキと振る舞う。
就活の面接でもよくあることですが、面接のなかの話の流れで、ネガティブな方向に話が進行しそうになったとき、最終的にはポジティブなボールを投げることです。
たとえば短所を訊かれたとき、
「私の短所は、〇〇が苦手なことです。でも〇〇は得意だと思っています」
のような、最後にポジティブな路線に持っていくことを個人的には意識しています。
とはいえバイトなので、就活ほど重視されないとは思うので、軽く意識するくらいで十分でしょう。
『明るさ』を求められる接客業などの職種ではない限り、最低限、会話のキャッチボールを成り立たせることを目標にすればいいかと思います。
腹を決める
最後の必殺技は、開き直る。
面接は初対面で好印象を与えられる人に有利な戦いです。
「自分なんか…」と自信なさげな人より、中身があってもなくても、やはり自信ありげに振る舞えている人のほうが採用されやすい。
なので、腹を決めたら「空白期間?引きこもり?なんぼのもんじゃい」と開き直って挑むことが、最終的には大切なんじゃないかなと思います。
開き直ると、人間ふしぎなもので、思っている以上に明るく振る舞えたりします。
「旅の恥は掻き捨て」みたいなもんで、一度きりだと思って、強気で挑んでみることをおすすめします。
パワーが必要なのは最初だけ
引きこもりや無職の期間が長いと、『働くこと』がものすごく大きな壁のように思えてきますよね。
でも大きなパワーが必要なのは、最初だけ。慣れるまでの1ヶ月〜2ヶ月くらいです。
一番大変なのはやっぱり【応募〜面接】。
体感で言えば、【応募〜面接】に使うパワーが100(一番勇気がいる)だとすると、バイト始めて一ヶ月目が75〜80くらいで、それからあとは10〜20くらいだったな……と感じます。
最初の一ヶ月〜二ヶ月は、仕事を覚えるのも大変ですが、職場の人間関係に慣れるのにもパワーが必要でした。
(みんな良い方ばかりだったんですけど、やはり多少は合う、合わないはありますから。)
3ヶ月過ぎると、「出勤が面倒だな」と思うくらいで、仕事に対してはそこまで緊張しなくなりました。
1年くらい経つと、人間関係にも完全に溶け込めて、仕事も慣れすぎて作業ゲームのような感じになりました。
自分の肌に合うバイト先ほど早く溶け込めて、合わない場所ほどいつまで経っても慣れない、溶け込めない……という傾向がありましたので、バイトをはじめて最初の二ヶ月くらいが目安かもしれません。
万が一、失敗しても…
万が一、面接に失敗して不採用になっても落ち込むことはありません。
採用されても一日で辞める人なんていっぱいいますし、渡された制服さえ郵送で返すような不誠実な人もいます。
周りに訊くと「正社員じゃあるまいし、バイトってそんなものでしょう」と言うので、どうやらそんなものらしいです。
というわけで、不採用になってもいくらでも次があります。
それでも受からないなら
それでもバイトに受からない場合、(途中で書きましたが)
家族・友人・知人などを頼って、働き口をさがすことをおすすめします。
たとえば、まったく働いた経験がない身で仕事をもらう場合、知らない場所に一人で乗り込んで、たった数十分の面接で面接官の心をつかむというのは、めちゃくちゃ難易度の高い道になります。
そう考えると、家族や友人のツテを使って、『もう知られている人柄』や『今までの信用』を利用して、働き口を探す方がかなり易しい道だと思います。

プライドをへし折ってでも、周りに相談するのが一番早いですし、有利な見つけ方でしょう。
頼れる家族や友人などがいない場合、地域の引きこもり支援サービスを活用することを強くおすすめします。
面接がない短期バイトに行って職歴を積む
また、少し難易度は高いですが、短期バイトという選択も有りだと思います。
短期バイトの場合、基本的には面接という面接がほとんどなく働けるため、元引きこもりでも挑戦しやすいです。
私は以前にリゾートバイトに登録したことがあるのですが、面接はなく、電話面談でした。
電話嫌いのため、電話口でのやりとりは緊張はしましたが、訊かれたことといえば、
- どんな職種が希望ですか
- どこの地域が希望ですか
- どのくらい働きたいですか
……のような、労働条件に対する質問ばかりで、
一般的な面接によくある「今まで何してたんですか」というような、心臓をえぐられる質問は一切なかったです。笑
あと、リゾートバイトには
- 洗い場
- 客室清掃
- ホテルのナイトフロント
……のような、対人関係が苦手な人でもやれるような職種がけっこうあるのもありがたいです。
私は同時期にバイトの面接を受けて、そちらが合格したのでリゾバに行くことは辞退させていたたきましたが、
「何度受けてもバイトに採用されない」
「面接にいつも失敗してしまう」
……という人は、まず短期バイトを始めてみてはいかがでしょうか。
ただ、短期バイトの場合、いきなり長時間、連日で働くことになるので、面接のハードルは低いですが、『働く』という意味では普通にバイトするより大変です。
面接の大変さをとるか、仕事の大変さをとるか、という感じですね。
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