引きこもりからの脱出はまず親や知り合いを頼るべき【経験談】

助け 働く

長く引きこもり期間が続いたあと、「そろそろ働きたい」と思う人は多いと思います。

しかし引きこもりからの脱出にネックになるのは、『履歴書』と『面接』。

  • 長い空白期間
  • ほとんどない職歴や学歴

……などから、不採用になることも少なくありません。

自分が社会復帰した経験から、この引きこもりに一番有効だった方法があります。

それは、家族や友人、知人に頼ることです。

 

引きこもりの長い空白期間

引きこもりから社会復帰しようとしても、長い空白期間や、職歴のなさから、バイトですら不採用にされやすいです。

事実、むかし働いていたバイト先の店長さんが、「きょう面接した子、20代で4大卒だったけど、ニート歴が長かったから不採用にした」と言っていたことを覚えています。けっこうな人手不足だった店なのに。

また、履歴書は除いたとしても、長く引きこもっていたことによるコミュニケーション能力の低下から、面接での会話のやり取りに失敗する可能性もあります。

これらが積み重なると、

「働きたい」→面接受ける→不採用→絶望して引きこもる→「働きたい」→面接を受ける→不採用……

というループになったり、

または

「働こうかな」→面接怖い→応募する勇気がでなくてやめる→さらに空白期間が長くなる→「働こうかな」→面接怖い→応募する勇気がでない→さらに空白期間が長くなる

……という、もう一段階前の負のループ状態になっている人もかなり多くいると思います。

 

「働けばいいじゃん」

普通に働いている人からすれば

「働けばいいじゃん」

「面接受ければいいじゃん」

と言われて終わりなのですが、引きこもりにとって『面接』のハードルは、ふつうの人が思っているよりはるかに高いですよね。

しかも最悪「自業自得」と言われて終わり。

どれも正しい言葉だと思っていますし、引きこもりで悩んだ経験がなく、普通に働いてる立場だと、何も考えずさらりと言ってしまうのもわかります。

私もたぶん20歳までなら、(わざわざ言わないにしろ)心の底では思ってしまっていたと思います。

でも経験してわかったことですが、これらの言葉や世間的な目が、さらに社会復帰をしたい引きこもりの方を社会復帰できなくします。

せっかく「働こうかな…」と小さな勇気が出しても、そういう言葉にさらされて、さらに対人恐怖症が悪化し、どんどん心が閉じていってしまって救いがなくなってくる。

完全なる負のループ。

心理的には、富士山かエベレストくらい。

私自身がこの負のループに陥ったことがあるので、気持ちはめちゃくちゃわかります。

自分が社会復帰した経験から、一番有効だった方法があります。

それは、家族や友人、知人に頼ることです

知り合いから仕事をもらってます

私は4ヶ所かけ持ちで働いているのですが、その中の一つに、知り合いのお店があって、週に3日ほどバイトをさせてもらっています。

ここから社会復帰したわけではありませんが、この知り合いのツテで働かせていただいている経験から、社会復帰するなら求人サイトでさがすよりも、家族や知り合いを当たるほうが良いと心から思いました。

その理由を次に書いていきたいと思います。

引きこもり脱出に家族や友人を頼ったメリット

良かったこと①面接も履歴書もいらなかった

一番のメリットは、面接も履歴書も必要なかったことです。

最初にも書いたように、引きこもりの社会復帰の壁になるのが『面接』と『履歴書』です。

しかし、知り合いの仕事のお手伝いや、知り合いから紹介された仕事だと、そもそも履歴書や面接が必要なかったり、面接があったとしても大目に見てもらえます。

求人サイトから応募して面接を受けるより、難易度が低いのは言うまでもありません。

私のしている知り合いの仕事のお手伝いに関しても、そもそも知っている間柄なので、面接もなかったですし、履歴書も書いていません。

良かったこと②人間関係に悩まない

友だち

知り合いの会社やお店などで働かせてもらう場合、人間関係に悩むことはほとんどありませんでした。

なぜなら、正社員でもバイトでも、求人サイトで働き場所で見つけて働くというやり方は、仕事内容を覚える以外にも、「新しい人間関係に慣れる」というもう一つの大きな壁がありますよね。

お互いに知らない者同士なので「自分は〇〇に住んでいて〜」「結婚して子供がいて〜」など、最低限いろいろ話す必要が出てきてしまう。

当たり前といえば当たり前なのですが、このちょっとしたコミュニケーションがとにかく耐えられないという人は多いと思います。

知り合いの会社やお店などで働かせてもらう場合、もうお互い知っている者同士なので、そこまで自分をプレゼンする必要はありません。

わざわざ「どこ出身なの」「兄弟はいるの」とか訊かれないですし、本当に楽です。「働くこと」に全集中できます。

良かったこと③融通がききやすいので、心にも易しい

そして3つ目は、休みや時間などの融通がききやすいこと。

これは絶対というわけではありませんが、顔見知りなぶん、休暇や時間などの融通が利きやすい場合もあります。

たとえば求人に載っているバイトってやはり大手チェーン店が大多数ですよね。

そうすると、出勤日がほとんど固定されていたり、祝日や大型連休に気軽に休めないことは多いと思います。

しかし知り合いのツテで働かせていただいたりすると「前もって言ってくれればいつでも休んでいいよ」みたいなゆるさがあったり、個人でやっている店だと、基本的にお正月、お盆、祝日はお休みだったりするので、ほぼ年中無休のコンビニ、ファミレス、スーパーで働くよりめちゃくちゃホワイト。

ブランクのある元引きこもりの人にとっても働きやすい環境ですし、体調面で不安がある人にとっても、体調に合わせて休ませてもらえる環境というのは非常にありがたい労働環境だと思います。

じっさいに、うつ病の友人がいるのですが、その人が働いているお店は、店主が(友人の)事情がわかっているので、突発的な休みにも対応してくれるそうです。

普通の正社員としての働き方や、シフト固定のバイトはできなくても、自分を受け入れてくれる会社やお店があるだけで、働くことができます。

引きこもりの社会復帰は家族や知り合いのツテに頼るのがおすすめ

というわけで、引きこもりの社会復帰には家族や友人、知り合い等のツテに頼るのが一番易しい道だというお話でした。

経験から言っても、求人サイトでさがして仕事を始めるのが10くらいのパワーを要するなら、プライドを捨てて周りに頼って仕事を得るほうが2くらいの力です。

親や友人など、知り合いに「仕事さがしてるんだけど」と訊く

さがし方については、まあ普通に周りに訊くだけです。

顔の広い友人がいると一番いいですが、片っ端から「バイト先ないかな」とか訊いてまわっても、友人の一人くらいは「昔働いていたバイト先がめっちゃ人手不足らしいんだよね」と言う人がいると思います。私も3人くらいいました。

普通の大手チェーン店でバイトをするにも、バイト求人サイトで応募して面接に乗り込むよりも、誰かの紹介があったほうが入りやすいですし、融通もききやすいです。

「自分一人の力だけで」という考えは捨てる

悩む・落ち込む

ただし一つだけ。

「ぜったいに自分の力で復帰するんだ」というこだわりとプライドは捨てなければいけません。

ここが一番むずかしいという人もいるでしょう。長年引きこもっていたぶん、とつぜん考えや言動を覆すのはプライドが許さないでしょうし、単純に、これ以上なにか言われて傷つけられるのが怖かったり、過去の「ちゃんとした自分のイメージ」を捨てられない人も多いと思います。

その場合は、この人には弱みを見せられないけど、この人にだけなら相談できる、という人だけにも相談してみてください。

たとえば、友達には弱みを見せられないけど、母にだけならとか。家族はだめだけど、親友の〇〇だけならとか。

人間って「何でも自分でやる人」より、隙がある人や頼ってくれる人のほうが好かれますし、頼られるとなんとかしてあげたいと思う人が多いと思います。なので、自分が全力で助けを求めれば力になってくれる人の一人や二人はいると思います。

誰も頼れる人がいない場合は……

本当に誰も頼れる人がいない場合は、やはり求人サイトで職探しをするしか方法はないかもしれません。

(他の方法としては、面接のない短期派遣バイトを始めるとか、『引きこもり支援』の福祉サービスを利用など)

その場合、経験のある職種の範囲で働き場所をさがすのが一番の近道だと思います。

私も社会復帰したときは、(バイトですが)過去の経験を買われて採用していただきました。

「この(空白)期間は何かされていたのですか?」

…みたいなことは、面接で遠回しにけっこう訊かれたのでドキドキでしたけど。

慢性的に人手不足な職種だと、空白期間が多少長くても、過去に少し経験があれば、採用されやすいです。(飲食やレジ打ち、介護など)

あとは、

  • 短時間でもいいから働いてほしい(週1~OK、1か月~の短期OKなど)
  • 年配の方でも積極的に採用している

……というような、窓口の広い求人を選ぶとさらに採用されやすいです。

いきなり面接は無理な人

とはいえ、『働く』ということ自体、いきなりではむずかしい人もいるでしょう。

そういう人は、いきなり『バイトだ面接だ』ではなく、なるべくスモールステップで小さなところから始めるのがおすすめです。

たとえば、

犬の散歩などで少しずつ外に出られるようにする(筋トレ、体力づくり)

コンビニ店員などと少しずつ話す(コミュニケーション能力をもとに戻す)

自分に過去やったことがある職種を選んで、面接を受けてみる

……と徐々にリハビリしていけば良いと思います。

私も完全引きこもりから、『散歩を始める』→『近所の人と話すようにする』→『単発バイトを少しやる』→『最終的に長期バイトの面接を受ける』という道をたどって今に至ります。

大体、半年〜1年くらいかけました。

単発バイトに関してはちょっと失敗だったなと思っていますが、こういった少しずつステップアップしていったこと自体は、体力的にも精神的にも正解だったと思っています。

ただあまりに長くかけすぎると、空白期間が長くなっていくだけなのでそこは注意が必要かと思います。

まとめ

まとめると、

引きこもりの方や、ブランクの長い人に一番おすすめな社会復帰の方法は、家族や友人、知り合いなどを頼って仕事をさがすことです。(面接や履歴書も必要ない場合もあるし、あったとしても難易度がぐんと下がる)

頼れる人がいない場合は、地域の『引きこもり支援』などの福祉に相談してみるか、

今までの経験を活かして競争率の低い求人に応募すると採用されやすいでしょう。

まだ『働く』ということ自体、心や身体がついていかないという人は、積極的な外出、運動、人とのコミュニケーションなどでスモールステップしていくことがおすすめです。

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