引きこもりやブランクの長い方で、社会復帰も兼ねて単発バイトを始めようという人はいると思います。
最近ではウーバーイーツ、タイミー、シェアフルなど、1日短い時間から働けるようなサービスも増えてきました。
「面接もない。ふつうにバイト始めるより手軽そうだし、1日くらい働いてみようかな……」
……という気持ちにもなりますよね。
私は過去に5回ほど単発バイトに行ったことがあります。その内の2回は、引きこもりからの社会復帰も兼ねてのことでした。
その経験から、個人的には「正直、単発バイトはおすすめはできない」と思っています。
引きこもりの方に単発バイトを進めない理由
単発バイトからの社会復帰をおすすめできないのには、次のような理由があります。
①即戦力を求められるから
単発バイトには、経験が求められる傾向があることです。
「え?でも、未経験OKって書いてあるし……」
……と思うかもしれません。
たしかに、単発バイトには【未経験OK】の記載があるところも多いです。
しかし、いくら求人には【未経験可】と記載されていても、短時間で働くのですから、職場はできるだけ経験がある人のほうが使いやすいです。
たとえば、1日限定で2時間だけコンビニで働くことになったとして、何も知らない未経験の人が行ったら、最初の1時間はひたすら教えてもらうだけになると思います。
それに対して、コンビニ経験のある人が行けば、多少教えることはあっても、ほぼ即戦力として2時間まるまるきちんと働けるだろうと思います。
このようにやはり短い時間、短い期間で働くのであればあるほど、即戦力が求められるようになっています。
②教えてもらう時間がもったいないから
2番目は、教えてもらう時間がもったいないこと。
先ほども書いたように、短時間働こうとすればするほど、教えてもらう時間がもったいない、というか申し訳なくなるのです。
過去に4時間の単発バイトをしたとき、最初の2時間くらいはつきっきりで教えてもらい、自分が一人で働いたのは残りの2時間だけです。
これから半年や1年働くなら、その2時間はムダではないですが、その日しか働かない人のために、つきっきりなんて申し訳ないし、はっきりいってムダ。これが私が単発バイトをやめた理由でもあります。
③その場限りの人間関係なので、信頼も信用もつくれないから
そして、信頼関係がつくれないから。
単発バイトは、人間関係もその場かぎりです。
信頼も信用もつくれませんし、打ち解けることすらできないまま仕事が終わります。
なかには、「どうせ今日かぎりだから」と邪険に扱われることもあるようです。
もちろん、このロボットみたいな働き方が良いところでもあるんだとは思いますが、このように、信頼関係が築けていない職場ではなにかと働きづらいなあと思いました。
④良いと思った職場でも、長期で働けないから
4つ目は、良いと思った職場があっても、長期で働けないから。
単発バイトをしていると、たまに居心地の良い職場や楽しい職種に出会うことがあります。
しかし1日の契約なので「もう一度働きたい」と思っても、続けることはできません。
もう一度応募すれば働けますが、競争率の関係で枠がない場合もあります。
このように良い職に出会っても、その日限りということになります。
あとは、良い職場とまではいかなくても、仕事が終わる頃に、「やっと慣れてきたな」「もう一日やったらきちんとできそう」と思っても、やはりその日限りで終わっちゃうんですよね……。
⑤どんなバイトでも初日が一番大変だから
5つ目は、どんな仕事でも初日が一番大変だからです。
バイトは当たり前ですが、初日が一番大変です。
新しい仕事を覚える必要があるし、新しい人間関係に飛び込む必要もあります。
自己紹介に、メモ……。疎外感のある職場。
どんな仕事でも初日ほど精神が擦り切れることはないでしょう。
この一番大変なところを毎回しなければいけないのが、単発バイトです。
どんどん新しい人と出会うことに楽しめるタイプの人ならべつにして、私の場合、毎回毎回、知らない場所に行って、自己紹介したり仕事を覚えたりするのがあまりにきつかったです。
「これなら普通に働いたほうが100倍楽じゃない?」と思いました。
【結論】単発バイトは難易度高い
このように、単発バイトは難易度が高い上に、エネルギーを必要とします。
また、良くも悪くもその日限りしか働けません。
自分の感覚では、普通のバイトの初日と、単発バイト行くエネルギーはほぼ同じ。(人間関係に馴染まなきゃいけないぶん、前者のほうが少しだけ大変かもしれませんが。)
せっかく「働きたい」というエネルギーが湧いてきたのに、そのエネルギーを一日で使いきってしまうことになります。非常にもったいないです。
どうせ同じエネルギーを使うなら、ふつうのバイトを始めたほうが、長期的に見ても良いと思いますし、一般的なバイトは慣れれば慣れるほど、どんどん楽になっていくので、精神的にも易しいです。
とはいえ、普通のバイトには『面接』という大きな壁があるんですよね。
面接は敷居も難易度も高いかもしれないけど
単発バイトのいいところとして、面接がなくどんな経歴の人でも働けるところがあります。
面接がないーーそれがどんなに、引きこもりの身にとってありがたいか、引きこもった人間として少しはわかっているつもりです。
このまま単発バイトだけで食いつなぎながら生きていくという人なら、単発バイトをやるのはいいと思います。
しかし、のちのちに、正社員や普通のバイトで働くことを視野に入れている人なら、わざわざ遠回りせず、最初からそちらに就職するほうがぜったいいです。
なぜなら、使うエネルギーは一緒だから!
そして、エネルギーには限界があるから!
……です。
私達はただでさえ、人より体力が少なくなっているので、一度、単発でバイトをしてしまうと、それでエネルギーを使ってしまい、何日も、あるいは何ヶ月も仕事をする気が起きなくなるんです。すると、どんどん空白期間が空いていきます。
面接がしんどいのはわかります。
「この空白期間は?」みたいな質問されるところを想像して、苦しいのもわかります。
わかりますが、私達はただでさえ人よりエネルギーがないのですから、そのエネルギーを効率よく使うことが重要です。
2〜3ヶ月の短期バイトをやったほうがいい
「面接がどうしてもしんどい」という人は、単発バイトではなく2〜3ヶ月の短期バイトを検討してみてはいかがでしょうか。
短期バイトだと一度覚えた仕事を少なくともその期間はずっと続けられますし、友達ができたり、雇用主との信頼関係も築くことができます。
結果、ごく稀に正社員として就職する人もいるようです。
また、友達や知り合いができると、ほかの仕事の情報を得たり、楽な職種や楽しかった職種を教えてもらえたりするので、次のバイトをさがすヒントになります。
このように単発バイトではぜったいにあり得ないようなチャンスがあるので、単発バイトをするなら短期バイトのほうをおすすめします。もちろん、短期バイトは短期バイトでしんどいのには変わりないですが。
とはいえ、ただ「体を動かしたいだけ」ならいいかも
とはいえ、長期間働いていなかったのに、そのままバイトを始めるのはやっぱりしんどい。
「少しだけなまった体を動かしたい」という人はいると思います。
そういう人は止めませんし、そうわりきって単発バイトを利用するのはぜんぜんいいと思います。
自分も久しぶりに働いたとき、「あーこんな感じだった」と、昔の感覚がよみがえってきました。しかも、久しぶりに働いたのに意外と体をが動いて自分でも驚きました。
そうして自信がついたことだけは、単発バイトをしたかいがあったなあと思います。
あとは、「自分の知らない職業を体験してみたい」とかいうときにも単発バイトはおすすめです。
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