引きこもりで罪悪感にさいなまれるとき

女性 働く
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「自分は生きている価値がない。ダメな人間なんだ」

……など、引きこもりで罪悪感にさいなまれている人は多いと思います。

わたしも引きこもっていたころは、いつも「生きていていいんだろうか」「消えてなくなりたい」と思っていました。

そこで今回は引きこもりが罪悪感に苛まれている理由と、自分が罪悪感をなくした方法について書いていきたいと思います。

ひきこもりは罪悪感にさいなまれながら生きている

引きこもり生活を長く続けていると、罪悪感がふくれ上がってきます。

衣食住すべてを家族に頼っている人が大半かと思いますし、お金をまったく稼げていないか、稼げていても微々たるもの……という人がほとんどだと思います。

何も生み出してもいない。社会貢献できてもいない。そんな現状で、生きている意味がわからなくなるんですよね。

家族や世間の目

それに、周囲からの「このままじゃだめだよ」という(正しいかもしれないけど)攻撃的な言葉、遠回しのプレッシャーによって、さらに自己肯定感を失い、罪悪感が高まっていきます。

家族の何気ない言葉や行動にチクチクと傷つきますし、ネット上でも、いろんな場所で引きこもりや無職を侮蔑するような言葉を目にする機会もあります。

自分も家族からの言葉はきつかったです。ストレートな言葉もまあまあ傷つきますが、それより響くのがどうせ暇なんだから、○○しなさいよ」という言葉。

言葉そのものというより、自分に対する扱い方。言葉の背後にある、蔑まれている空気そのもの、に胃がやられそうになるんですよね。

このように周りが「お前はダメだ」「ダメだ」「ダメだ」と言い続けてくる状況ですから、

「社会の最底辺にいて、何も貢献できていないダメな人間なんだ」

……と、どんどん社会が怖くなり、自信が持てなくなり、さらに引きこもりから抜け出せなくなっていくんです。

(周りからの言葉や無言の圧を必要以上に受け取って、悪い方向に解釈してしまっている部分も多いと思います。)

だんだんと悪化していく

一度入ってしまうと抜け出すのは困難な、負のループです。

自分はいじめのような大きなトラウマや事件で引きこもったわけでもありません。

けれど「ひきこもりだ」という自覚と、周囲からの扱いによって、自信がどんどん削られていく、生きている意味が持てなくなっていきました。

つまり(全員ではないですが)『ひきこもり状態』を長く続けていると、「ここまで落ちるほどのきっかけや事件もない」という人でも、この沼に入るとどんどん下へ下へ落ちていくんですね。

抜け出すのはもっと怖い

では、そんなに「生きている意味が持てない」と悩むなら、社会の一員に戻れば、生きている意味も持てるわけです。つまり一度社会に戻ってどこかで働き、自信を得るんですね。

ところが、それは容易ではありません。

抜け出すのはもっと怖いからです。

恐怖①環境の変化

なぜ怖いのかというと、まずは環境の変化。

何年も引きこもっている人ほど、外に出るというのはかなりのパワーと勇気が必要になります。また、以前、仕事をしていたことがある人は、前職での仕事や人間関係のトラウマがずいぶん蓄積されていることでしょう。

人間、大人になればなるほど、環境が大きく変化することに対して抵抗が生まれます。

「本当に働けるのだろうか」

「また嫌な上司に当たらないだろうか」

そんなことを想像すればするほど、どんどん社会に出て働くことに対し、足がすくんでしまいます。

恐怖②世間に姿を現すことで抹殺されるのではないかという恐怖

2つ目の怖い理由は、袋叩きにされるのではないかー-という恐怖です。

引きこもっていると、自分のことを「ダメな人間」と思い込んでいきます。

今までは「社会のつまはじき者」として、世間から身を守るように、迷惑をかけないように、自分の城の中でひっそりと生きてきたわけです。

そんな自分がいざ世間に顔を出すことになったら、どうなるか。

みんな寄ってかかって自分を傷つけてくるのではないか。すべてを否定されるのではないか。と考えるわけです。

じっさい『引きこもり』ときいていい顔をする人は少ないでしょう。

とくに、これが原因で面接に行けない人は多いんじゃないかと思います。

人間そのものが怖い

人そのものに恐怖心を感じることです。

前職または過去のイジメ体験などのトラウマが原因で引きこもった人は、もちろん人と関わるのは怖いですし、それまでなんともなくても、引きこもっていたときに傷ついた経験から、人に対して恐怖を抱くようになった人もいると思います。

当たり前ですが、引きこもっていると褒められることなんてほとんどありません。面と向かって怒られることもありませんでしたが、「今はいいけどね」と言われたり、不思議な顔をされたり、遠回しに「今の状況はだめだ」と言われているような感覚がありますよね。

こうした経験から、人間そのもの、世間そのものに対してものすごい恐怖と不信感を抱くようになります。

さらに引きこもって罪悪感が膨れ上がる

このようないろんな恐怖が積み重なると、ますます外に出るのが怖くなって引きこもってしまいます。

そうなるともう悪循環です。『外が怖い』と躊躇(ちゅうちょ)すればするほど、外は怖くなりますし、空白期間もひらいていくだけ。さらに社会復帰が遠のきます。

それにストレスも増えていきます。私は集中力がつづかず、手の震えまで現れました。

気の持ちようといえば気の持ちようなのかもしれない

でも、周りを見てみると引きこもってふさぎ込むかどうかって、その人の性格によると思いました。

なぜかというと、知り合いに2年半ほど引きこもり生活を謳歌し、なんのためらいもなく就職活動をして、正社員として働きはじめた人がいるからです。

その人は引きこもっていたからといって、自分に自信をなくしていたようにも見えなかったですし、「他人にどう思われてもいい」と世間の目もまったく気にしていませんでした。

なので、長期で引きこもっても、自信を失っていく人とそうではない人がいるのだと思います。

自分が罪悪感をなくせたのは、結局バイトを始めてから

ですが結局、引きこもっていて罪悪感がある人は、外と関わらなければ自分を保てない、自信を持てないタイプなのだと思います。(というかほとんどの人がそうだと思う)

私が胸を張って外を歩けるようになったのは、社会と関わり始めてからです。

簡単なアルバイトを始めて一週間、いや一日目から、ぜんぜん違いました。

とにかく仕事を終えた後に充実しているような感覚がありましたし、それまでずっと悩まされていた『手の震え』『集中力がつづかない』……という症状も気が付いたらどこかに消えました。

趣味も楽しめるようになり、ご飯もおいしく食べられるようになり、夜もぐっすり眠れる。

道端で初対面の人と話すことになっても、「いやだな……」と思わなくなりましたし、引きこもっていたときに常に頭になった「なにか思われるんじゃないか」など卑屈に考えることはなくなりました。

そういうタイプであるなら、怖くてつらいかもしれませんが、ほんの少しでもいいから勇気を持って社会との関わりを作ることが、罪悪感をなくし自信をもつ一番の近道です。

小さな一歩でいい

最初は小さな一歩でいいと思います。

社会と関わることは、引きこもりをしていた身には大きな一歩かもしれません。でも、大きくなくていい。

医者になれ、歌手になれ、正社員しかダメ、、そんな強迫観念や世間の押し付けは、とりあえず一旦ぜんぶ捨てます。

年収〇〇〇万円じゃないとダメ、一日8時間以上働かないとダメ、一人暮らしじゃないとだめ。

そんな世間の普通も、とりあえず一旦は脇においておきましょう。

……というか、現状の自分では無理。

だってほとんど家から出てない人がいきなり8時間労働って、(できる人は多いと思いますが)目標としては高すぎです。

なので「世間体やこだわりのようなものは、とりあえず社会復帰して体力がついてから考える」でOKです。

年収100万以下で生活している人もいます。シェアが進んだり、空き家が増えたり、給料が上がらないこれからはもっと安い生活費で生きる人が増えるかもしれませんし。

小さな成功体験が必要

ただもちろん、人それぞれ、スタートラインは違うのでなんとも言えません。

職歴がまったくない人かもしれないし、空白期間10年以上の人かもしれない。仕事はバリバリこなせる優等生なのに、ふとした拍子に引きこもりになった人かもしれない。

ですから『簡単に』とはいかない場合もあるかもしれません。

日雇いでも、コンビニのバイトでも、なんでもいいので、とにかく理想の自分は一旦捨てて、真っ白な状態になって、何でも一つ成功体験をつくると、自分に自信が持てるようになります。

自分のすべてを「だめだ」と思わないでいい

一歩を踏み出すときに意識するといいのが、自分のすべてを「だめだ」と思わないことです。

自分のことを「だめだ」と思っていると、それが表に出てしまって人が寄ってこなくなりますし、面接でも足を引っ張りますからね。

そもそも(救いようのないくらいダメな人間もいるかもしれませんが)きっかけさえあれば馬車馬のように働く真面目な人間もそれなりの割合でいるでしょう。

誰しも一つや二つ、褒められた経験あると思います。それを思い出す。ちっちゃいのでいいから、思い出す。そして、「すべてダメなわけじゃない」と思い込む。

今がどん底。後は這い上がるだけ。

自分のすべてを「だめだ」と思わないこと。これ大事。

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